農振農用地除外について
農業振興地域制度は自然的経済的社会的諸条件を考慮して総合的に農業の振興を図ることが必要と認められる地域について、その地域の整備に関し必要な施策を計画的に推進するための措置を講ずることにより、農業の健全な発展を図るとともに、国土資源の合理的な利用に寄与することを目的としています。
そのため、農林水産大臣が基本方針を策定し、都道府県知事が農林水産大臣と協議し、農業振興地域を指定され、指定を受けた市町村は、知事と協議して農業振興地域整備計画を定めることとなっています。
原則農用地区域内の農地転用については、農用地利用計画において指定された用途に供する場合以外は認められないこととなっています。
しかし、どうしても除外の必要が生じた場合は、次の5つの要件をすべて満たす場合に限り、除外できます。
- ア 農用地区域以外に代替すべき土地がないこと
- イ 除外により、土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと。
- ウ 効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがないこと。
- エ 除外により、農用地区域内の土地改良施設の有する機能に支障をおよぼすおそれがないこと。
- オ 農業基盤整備事業完了後8年を経過しているものであること。
以上の要件を満たした場合農地利用計画の変更手続きができることになります。
事務手順としては、申請者から農用地利用計画変更希望申出書により農用地区域解除の希望を受け付けます。
変更作業を進める参考として町長から、農業委員会、農業協同組合、森林組合に変更事案に対する意見を求めます。
そして、変更に対して否認となる意見回答がなければ、町長から京都府知事に対して農業振興地域整備計画の変更の事前協議の申し入れをします。
京都府では、京都府農業振興地域整備基本方針に照らし合わせて、変更の是非が協議されることとなり、結果が通知されます。
そして事前協議に異議ない回答となれば、農用地区域の変更を内容とする農用地利用計画の決定のために、関係権利者の意向を反映させるため、農用地利用計画案を公告し、おおむね30日間の縦覧と15日間の異議申し出の期間を設けて、異議申し出がなければ、京都府に本協議を申し出て、同意の回答を得て計画決定となります。
農用地区域解除の事務過程はここまでですが、期間は順調に進んで6から7カ月ぐらいかかると思われます。
容認の要件を満たさないと判断される申し出の例
- 例1 原則として、農地転用許可の見込みのない第1種農用地の申出
(例外:土地改良区の同意がある場合等) - 例2 農用地区域に囲まれている農地
- 例3 農地法3条で取得後、農地としての利用期間が短い農地
- 例4 申出の利用目的に変更可能な農振農用地以外の農地を所有している場合
- 例5 過去に否認決定のあった申出地で否認事由の改善(変化)が認められない状況で再度申出される場合
- 例6 過去の申出に対して除外決定があったにも関わらず、当該目的に供せず、新たに異なる申出地を申し出た場合
(注意)第1種農地とは10ヘクタール以上の一団の農地や土地改良法に基づく土地改良事業等の対象となった農地等、良好な営農条件を備えるものを指しています。
更新日:2024年09月30日