茶香服

更新日:2021年04月01日

歴史

茶かぶきは利き酒と同じで、茶の特質を当てるゲーム(遊び)です
茶歌舞伎や茶香服とも書きますが、闘茶とも言います。
その歴史は古く、中国の宋の時代、抹茶の産地やお茶をたてるのに使った水の種類を判別しあって勝負する遊びから始まったとされています。

この遊びは中世初期に、茶の栽培や製造方法と一緒に宋から日本に伝えられました。
当時、お茶は上流の公家や武家社会でしか飲まれておらず、茶かぶきも、香合わせや貝合わせなどと同様に、大変優雅な遊びとして流行しました。この時代の茶かぶきは、京都の栂尾に植えられたお茶からできたものを「本茶」、それ以外の産地のお茶を「非茶」として、飲み比べられていました。
最盛期は、南北朝時代から室町初期の東山時代で、その後、茶道が創設されるとともに現在の茶かぶきの形態をとるようになり、今に至っています。
今日の茶かぶきは、玉露と煎茶が主に用いられ、茶産地や茶業関係者の間で盛んに行われています。
茶かぶきは娯楽だけでなく、茶の鑑定眼を養うとともに茶の製造技術の向上に役立っています。

遊び方(一席20人まで)

普通は、上級と並級の玉露を2種類、上・中・並級の煎茶を3種類用いて行ないます。
煎じ手(お茶を点てる人)は、この5種類の茶葉を使って同じ条件(茶の量、湯の量と温度、煎じる時間)でお茶を出します。
参加者は、さかずき大の白磁の茶碗に注がれたお茶を視覚・嗅覚・味覚を使って特徴をつかみ、5種類のうちどのお茶が出されたのかを判別して、一煎ごとにそのお茶を示す茶銘札を投札箱に入れていきます。
同じことを出された5種類のお茶すべてで行い、全員の投札が終わると一回目の競技が終わります。
煎じ手から煎じ順にそれぞれの茶名が発表され、それと自分の投札順がすべて合えば5点(皆点と言います)、何も合わなければ0点(チョットと言います)になります。
茶かぶきの競技方法は、これらのことを5回繰り返すことから5種5煎法と言われ、皆点を5回取れば合計25点満点となり、合計点数の多少で勝負が決められます。

用意するもの

  • お茶:人数によって異なりますが一席20人で「玉露」や「煎茶」それぞれ300グラム~400グラム程用意します。また、産地や価格(キログラム当)等の内訳を書いた茶銘表を参加者の見やすい所に張り出します。
  • 投札箱:煎じる5種類のお茶を示す札を用意します。
  • 水:不純物の少ない軟水に近い熱湯を使い、臭いのきつい水道水を使う場合は汲み置き水を充分沸かしてから用います。
  • 秤:一煎分のお茶の量は一人あたり約0.4グラム(20人で8グラム)を目安とします。
  • 時計:熱湯に茶葉を浸す時間は90秒で、ストップウォッチや砂時計で計ります。
  • 急須:300cc入の水切りの良いものを3~5個用意します。
  • 茶碗:25~30ccの白色無地で統一されたものを使用します。

競技の楽しみ方

茶かぶきは、一般家庭で飲むように低い温度でゆっくり時間をかけてお茶を出すことはしません。煎茶も玉露も熱湯を使い、同じ条件で煎じ出されます。
そのため、お茶それぞれの個性がわかりにくくなります。
初心者にとって大切なことは、水色・香り・味などの総合評価からまず煎茶か玉露かを見分けることです。水色は同じ光線のもとで観察し、香りは静かに持続性をもたせて嗅ぎ、味は舌の上でころがすように拡散させながらゆっくりと飲み干すことが大切です。
時には、直感で選び、煎じ出されたお茶は全部飲み干さない方が良いでしょう。
また、日頃からお茶を飲むときは何らかの特徴をつかむように心がけることが大切です。
しかし、勝ち負けだけにこだわらず茶かぶきを通じて人間関係の交流を図ることも大きな目的です。

お盆に並べられた湯呑にお茶を注いでいる写真

茶香服

外国の方たちが長机に座りお茶を飲んだり、紙に記入をしている写真

茶香服1

長机の席に座った男女がお茶を飲んだり、机に置かれた用紙を見ている写真

茶香服2

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